元気をもらった話
「慎重に検討いたしましたが、今回はご希望に沿えない結果となりました。」
私のメールボックスの「ぼつ」フォルダには、たくさんの上記のような選考結果のお知らせが入っている。
私は現在失業中。
もうかれこれ今年に入ってからずっとだ。
今までも何度も仕事がない時期はあったけれど
今回は少し長い気がする。
そもそも仕事がなければ、一番下の欲求である「生理的欲求(食べる・飲む・寝る)」という土台となるものが崩れていくのだ。
仕事がなくなることは、貧困に直結するのである。
貧困とは、心が荒んで行ってしまう
人間らしい心がお金の心配でまともに機能しなくなってしまうものだと思う。
でもお金そのものよりも、仕事がないということが
人にとって一番苦しいことではないかと最近思う。
一人暮らしならば、誰とも会わない、だれとも口を聞かない日々が続く。
どんどん、社会から取り残されていくどうしようもない焦燥感。
目に見えない時間の流れは、今は、目の前に砂時計が置かれて
みるみるうちに砂が減っていくのが可視化されているようだ。
自分の命が削られていくのを、どうする術もなく眺めているだけ。
たまらなく不安で押し潰されそうだ。
そんな気持ちを抱えて、ある人に助けを求めたら
その人は助け舟を出してくれた。
私の苦しさを理解しているその人は
「少し他の世界をみてごらん。」と魔法使いのように
動かなかった現実を動かしてくれた。
今私は、やっと落ち着いて
あたりを見回して、ここからまた歩いていくんだ
と、元気がでてきた。その人には本当に感謝しかない。
人との出会いは本当に不思議だなあ、としみじみ思う。
そして、世の中は助けられて助けて
まわっていくんだなあと。
私もあの人のように、懐の深い人になりたい。
そしてもう少し元気になったら
私も困ってる人の力になりたい、と
そういうひとになろう、と思ったのでした。
ありがとう、たつあにき。